2016年07月18日

生き残るFintechサービスとは

先日、生き残るFintechサービスとは何か、について議論する機会がありました。
世間のFintechメディアより、中身が濃く将来性のある話を、たくさん聞き、たくさん話してきました。
その時に出た話題を、覚えている限り列挙してみます。
参考になるところがあれば役立ててください。

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Fintechをうたうサービスはたくさんあるが、消費者にとって「自分の課題の解決」につながるものが注目される。
これまでにもあったような、誰にでも当てはまるサービスは、それほど注目されないだろう。
世の中にたくさんある不特定多数の「自分の課題」を的確に解決できるところが、ITが武器となる点である。

いつでもできる情報処理の形態が、数年前はメールだったが、今はスマホの普及で「アプリ」に変わっている。
文字の処理ではできなかった高度なことが、誰でも手軽にできるようになっている。このインフラをうまく活用することが重要。
とはいえ、メールによる言葉の伝達は汎用性がある。アプリはある特定のことを専門的にこなすのは得意だが、「自然言語」にかなわない点もある。機械学習、自動応答、と言った領域で活躍している人は、この点を抑えたほうがよい。

消費者の中では、中立性、経済性を求める動きが強くなっている。これにこたえるサービスは顧客受けしやすいかも。

資産運用に関しては、「どんどん儲けたい、高いリターンを出したい」というニーズではなく、「損をせずにそこそこ安定的なリターン」を望むニーズも増えている。だからと言ってロボアドバイザーがこれに答えられるわけではない。

金融業界が「金融」の中に閉じるのではなく、他の業界との連携でその価値を引き出し高めていくことが重要。

有力な金融サービスは、場合によっては既存の金融サービスを買収していくかもしれない。

海外では、銀行口座の入出金、残高照会、送金ができるシステムの仕組みが提供されている。
これにより、いろいろな人が、銀行口座を便利に使うアプリを開発できる環境が作られている。
日本もようやく、この動きが始まってきた。海外と同じような流れになるかもしれないが、日本特有の「個人情報に対する考え方」「自分資産を活用に対する考え方」「自分の資産を公開することに対する抵抗感」などをどう踏まえてサービスを作りこむかがポイントになりそうだ。

近い将来、税理士、FPの業務がコンピュータに置き換えられることもありえる。しかし税理士、FPの業務がクラウド化されたとき、そのクラウドシステムにノウハウを提供し続けられる税理士やFPは、その専門性を生かし続けることができる。
ITが発達してもプログラマーやシステム設計者がいなくなることはない、という概況というか前提というかビジネス原理というか、これを自分の業務領域で応用できる人は、どの業界であっても、いつの時代も、重宝される存在になりえる。

IT業界から新たな金融サービスが次々と誕生しているが、金融機関もお金を出してITに強い人材を雇い、自らITサービスを生み出す動きもある。
日本の金融機関は、ITに弱く、技術を受け入れる体制が海外と違う。
法規制、コンプライアンス、責任の取り方など、日本固有の壁がある。

資産運用の世界で、インデックス投資やリバランスが強くうたわれているが、なぜそうするのか、どこにメリットがあるのかはほとんど語られていないし、適切な説明もなされていない(説明する側も正確かつ深い知識を有していない)。
さまざまなことがIT化されても、相変わらず。

商品販売を中心にする金融機関は、今後の市場の戦いでは厳しいかもしれない。
「販売」ではなく顧客受けする商品やサービスを「創る」金融機関が競争力を維持し続けられる。

大手銀行のネットサービスは、顧客層や収益率の観点から、お年寄りに受け入れられるものにしないといけない。
ベンチャーがいろいろな技術を出しており、それを取り込もうと考えているが、ベンチャーの技術はそのまま高齢者には受け入れられないものも多い。

海外の金融サービス、ITサービスを持ってくればよいというものではない。
海外のFintechサービスのまねをしたり、追いかけているばかりでもいけない。
日本人の文化、お金に対する考え方、ニーズを踏まえた上でサービスを作っていく必要がある。
posted by キヨ at 21:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界ニュース

2016年02月26日

MicrosoftがXamarinを買収、今後のスマホ向け開発に期待

MicrosoftがXamarinを買収しました。
Xamarinは、個人的に応援している開発ツールです。
このツールがあれば、Android、iOS、WindowsMobileといったスマホ向けアプリを簡単に作ることができます。

今回の買収により、.NET界のエンジニアにも、スマホアプリ開発が容易に行える環境がもっと普及するといいな、と思っています。
一つの技能で、PCアプリ、ウェブアプリ、スマホアプリと、幅広いアプリを作ることができるのはとても魅力です。

この恩恵を受けつつ、多くのニーズに答えられるよう多様なアプリを開発に取り組めればと思っています。
posted by キヨ at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界ニュース

2016年02月11日

将来は、仮想通貨同士の両替サービスが登場するかも

仮想通貨そのものを立ち上げる会社が増えてきました。
ビットコインやリップル以外に、シティバンクや三菱UFJなどの金融機関も仮想通貨ビジネスを検討し始めました。
仮想通貨自体の種類が増えると、それはそれでまたややこしくなりますね。

その昔、独自にポイントを発行する企業が乱立して、お財布にポイントカードがパンパンになる、なんてことがありました。
しかし今はポイント交換サービスがありますし、TポイントやPontaのように、数多くのお店で使える「共通ポイント」が大きく普及しています。

こんな感じで、仮想通貨も最終的にはメジャーなものに収束されていくような気はします。
仮想通貨の交換/両替サービスなんてのも登場するかもですね。
posted by キヨ at 22:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界ニュース

2016年02月04日

マイナス金利に対応できないコンピュータシステム

マイナスの金利に対応できない金融関連コンピュータシステムもいくつかあるという。
もしくは、金利がマイナスになると正しく動作しなくなる恐れもある(正しく動くかどうかの確証が持てない)システムも、あるという。

私も思い当たるところがあって、マイナスの数の四捨五入をどうするかが常識化されていないんですよね。
例えば-0.15を四捨五入した結果は、-0.1にするのか-0.2にするのかっていう問題。きっちり定義して動作チェックしないと、想定通りに動かないことがありますから。

いずれにしても、2000年問題みたいな大事にならなければいいなと思うのですが、うーむ、大丈夫かなあ。
posted by キヨ at 07:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界ニュース

2016年02月01日

ロボアドバイザーは、本当に的確な投資提案をしてくれるのか

ロボアドバイザー(人間ではなくロボット/ITシステムによる投資アドバイス)のサービスを、多くの企業が手掛けることを発表しています。
ロボアドバイザーのメリットとして、「簡単な質問に答えるだけで、その人にあった最適なポートフォリオを提案してくれる」と言われています。これは、投資助言業務のIT化とも言えるでしょう。

「簡単な質問に答える」と説明しましたが、スマホやパソコンの画面に5〜10択程度のアンケートが10問ほど表示され、それに答えていく形になっています。
投資の目的、年収、年齢や家族構成、金融資産の額、投資に対する考え方、等のアンケートがあります。
実際にやってみると、本当にこれらを簡単に聞いてくるだけです。全てのアンケートに答えると、自分にあったポートフォリオが画面に表示される仕組みになっています。

 
このような仕組みを、「富裕層向けに提供しているサービスを、一般個人も利用できるようになる」とPRしており、これだけを取り上げれば、なんだかすごい立派なサービスにも聞こえます。

 
ところで、こんな簡単な質問で最適なポートフォリオが出る、という発想がちょっと安易というか、ちゃちっぽい気がします。
確かに、富裕層の資産コンサルティングでは、こういったことを聞いて、ポートフォリオを提案します。

しかし、富裕層と対面する投資アドバイザーは、次のような細かいヒアリングも行うでしょう。
・投資の目的と、その背景にある考え方
・資産管理に関して、不安や疑問に思っていること
・今ある財産を、どのような経緯、方法で築きあげてきたか
・今後の人生の目標・生き方について

いずれも、選択式アンケートでは収集できない情報です。
年収や金融資産の額も、それらが今後どう変動していくかを判断するために、追加の質問をすることもあります。

 
しかしロボアドバイザーの質問は、そこまで踏み込んだものではありません。
表面的には、富裕層コンサルティングと同じことをやっているといえばやっていますが、質問の深さが全く違います。
果たしてこれで本当に、利用者に対して最適なポートフォリオを提案できたといえるのか、適切なリスク許容度を判断できたといえるのか。この点は個人的に、疑問には思っています。

今の時点では、プロの投資アドバイザ―の方が、ポートフォリオ提案に関して的確な仕事をしているような気がします。ロボアドバイザーの精度は、まだ発展途上とも言えるでしょう。

以上のことは、きっとロボアドバイザー提供者側も考えていると思います。
この点は、今後のいっそうの改善を期待したいところです。
もしくは、私がその仕組みを作ってもいいのですが・・・その仕事がお金になるのならね(笑)
posted by キヨ at 23:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界ニュース

2015年12月29日

Outlook2016で、作成中のメールにファイルを添付しても、その添付ファイルが表示されないという不具合

Officeソフトに含まれるメールソフトの最新版「Outlook 2016」を利用しています。
ある時から、メール作成時に添付ファイルが表示されなくなりました。

作成中のメールにファイルを添付しても、その添付ファイルが表示されないのです。
あれ?うまく添付できていないのかな、と思いきや、実際にはきちんと添付されて相手に送ることができます。
機能上は問題ないのですが、表示上の違和感が発生しているのです。

調べていったところ、これはOutlookの不具合のようです。
詳しいことは、下記Microsoftのサイトに記載されていました。
http://blogs.technet.com/b/outlooksupportjp/archive/2015/12/14/office-365-pro-plus-outlook-2016.aspx

現在、Microsoft社で調査&対応中のようです。
近いうちに、WindowsUpdateで改善されるんじゃないかと思っています。

致命的な不具合というわけでもないので、あまり個人的には気にしていませんけれどね。
posted by キヨ at 15:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界ニュース

2015年12月17日

vvvウイルスが猛威を振るっているので皆さんもご注意ください。パソコンデータが使えなくなってしまいます。

微生物ウイルスのことではなく、コンピュータウイルスの話です。

vvvウイルスと呼ばれているウイルスが、急激に広まっています。
このウイルスメールの添付ファイルを開くと、PC内のファイルが勝手に暗号化されて使えなくなってしまいます。
とても迷惑なことをしてくれます。

このウイルス付きメールを受信しただけでは、無害です。
添付ファイルを開いたときに初めて、ファイルが暗号化されることになります。
なので受信したメールを確認後、すぐに削除すれば大丈夫です。

 
このメールが、私のメールアドレスにも届きました。
私のメールソフトで受信する前の過程で、メールサーバーや自分のPCにあるウイルス対策ソフトが何とかしてくれるかと思っていましたが、見事に通過してしまっています。
ありゃま、です。

皆さんもご注意ください。知らない人からの添付ファイルは、開かないのがセキュリティの常識です。

参考記事:
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20151211_735005.html

 
注:
もうちょっと厳密なことを言えば、知っている人からの添付ファイルも、注意をしたほうがよいです。
というのも、メールの送信者と送信元のアドレスを知人のものに詐称した、ウイルスメールもあるからです。
(この手のメールにどう注意すればよいのかは、複雑な話になるのでいったん省略します)
posted by キヨ at 21:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界ニュース

2015年10月06日

クロスプラットフォームの.NETは成功するか

PCソフト、Androidアプリ、iOSアプリの3つを、一つのコードで開発できることが、最新のVisual Studioでサポートされるようになりました。個人的には、これはとても魅力的だと感じています。

.NETが登場したときのことを、思い出します。
.NETが登場したとき、私は有力な次世代の開発プラットフォームだと思いました。
なぜなら、PC用ソフトとウェブアプリの両方を、共通のアーキテクチャ、開発言語、開発プロセスで実現できるからです。
この当時は、PCソフトはVBやCで、ウェブアプリならJavaやPHPで、みたいに開発言語、開発手法が別々だったのが当たり前でした。
その一方で、PCソフトをウェブアプリに移植するような案件も多くありましたが、異なる技術への移植は決して容易ではなく、多大なコストをかけて実施される場面も多数ありました。

しかし私は、PCソフトをビジネスロジック部分とUI部分とで実装を分けて開発する手法を採用していたこともあり、既存のPCアプリを容易にウェブアプリに移植できました。
なせなら、ビジネスロジック部分はPCソフトもウェブアプリも、共通のソースコードで対応できるためです。これまた当時ブームであったMVCモデルを、PCソフト開発でも採用していたのです。
このおかげで、PCアプリも、移植後のウェブアプリも、ともに高い生産性で開発することに成功しました。
(もちろん、そのおかげで収益性も高まりましたけどね!)

現状、PCアプリ、Androidアプリ、iOSアプリは、それぞれ別々の開発言語、開発手法が採用されています。
これを.NETで統一的に扱えれば、また以前のように収益性の高い開発ビジネスを行えそうです。
この流れには、個人的にとても期待しています。
posted by キヨ at 21:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 業界ニュース