ロボアドバイザー(人間ではなくロボット/ITシステムによる投資アドバイス)のサービスを、多くの企業が手掛けることを発表しています。
ロボアドバイザーのメリットとして、「簡単な質問に答えるだけで、その人にあった最適なポートフォリオを提案してくれる」と言われています。これは、投資助言業務のIT化とも言えるでしょう。
「簡単な質問に答える」と説明しましたが、スマホやパソコンの画面に5〜10択程度のアンケートが10問ほど表示され、それに答えていく形になっています。
投資の目的、年収、年齢や家族構成、金融資産の額、投資に対する考え方、等のアンケートがあります。
実際にやってみると、本当にこれらを簡単に聞いてくるだけです。全てのアンケートに答えると、自分にあったポートフォリオが画面に表示される仕組みになっています。
このような仕組みを、「富裕層向けに提供しているサービスを、一般個人も利用できるようになる」とPRしており、これだけを取り上げれば、なんだかすごい立派なサービスにも聞こえます。
ところで、こんな簡単な質問で最適なポートフォリオが出る、という発想がちょっと安易というか、ちゃちっぽい気がします。
確かに、富裕層の資産コンサルティングでは、こういったことを聞いて、ポートフォリオを提案します。
しかし、富裕層と対面する投資アドバイザーは、次のような細かいヒアリングも行うでしょう。
・投資の目的と、その背景にある考え方
・資産管理に関して、不安や疑問に思っていること
・今ある財産を、どのような経緯、方法で築きあげてきたか
・今後の人生の目標・生き方について
いずれも、選択式アンケートでは収集できない情報です。
年収や金融資産の額も、それらが今後どう変動していくかを判断するために、追加の質問をすることもあります。
しかしロボアドバイザーの質問は、そこまで踏み込んだものではありません。
表面的には、富裕層コンサルティングと同じことをやっているといえばやっていますが、質問の深さが全く違います。
果たしてこれで本当に、利用者に対して最適なポートフォリオを提案できたといえるのか、適切なリスク許容度を判断できたといえるのか。この点は個人的に、疑問には思っています。
今の時点では、プロの投資アドバイザ―の方が、ポートフォリオ提案に関して的確な仕事をしているような気がします。ロボアドバイザーの精度は、まだ発展途上とも言えるでしょう。
以上のことは、きっとロボアドバイザー提供者側も考えていると思います。
この点は、今後のいっそうの改善を期待したいところです。
もしくは、私がその仕組みを作ってもいいのですが・・・その仕事がお金になるのならね(笑)
2016年02月01日
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